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沈黙を破ったのは母の方だった。 「あなたから、その石を取り上げようと何度もしたわ…でもその度に私かお父さんのどっちかが、具合が悪くなったり、事故にあったり…だから、ヒカルからその石をとってはいけないと思ってずっと持たせていたんだけどね…」 ポツポツ喋る母の方をじっと見つめる。 「無理矢理にでも取り上げて、海にでも捨てていたらよかったわね…」 母は、ずっと隠し通したかったようだ。 その意図とは反対に、ずっと知りたかったのに…知ってから後悔するなんて… もしも、知っていたら? こんな事が起きると予測もできた? 名前を呼ばれて母は、会計に立って行く。 1人残され、悶々と思考を巡らせる。 考えても考えても答えはでないのは、知っている。 「……ラズリ…」 胸につけたペンダントの石を握りしめてみる。 なにも起こらない…? その時だった! 急にふわりと背中を抱きしめられて、驚く! 「……陛下…ご無事でなによりです…」 あの青年の声…母が戻ってくる前にカタをつけようと、呟くように声を出す。 「…俺はお前たちのところへは、もう、行かない…国なんか取り戻せないし…」
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