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コトの発端は、中学に上がった年だった。
そうだ、昔から変だと思っていた。
自分だけ髪が金髪で、目の色も黒くない
学校で変に言われて黒く染めるようになって
目が悪いわけでもないのに、コンタクトを入れて…
そして、大切に持つように言われていた
この石のペンダント
子ども心に不思議に思っていたけれど、口には出さなかった。
それが、あの日
ヒカルは、本当はうちの子じゃないと言われて、わかったんだ。
俺はここにいる為に、当たり前を演じていなければいけないんだと
血の繋がりなんて関係ない
それでも家族だと言ってはくれた
それって、嬉しいのかな?
自分の気持ちがわからなかった
本当の家族のことは知らないと、言われた
本当に?隠してない?
俺はここにいていい?
ああ、そうか帰る場所なんてないのか…
だから…
そんなモヤモヤした気持ちのまま、当たり前を演じ続け、2年生に進級して、ごく日常的に時は流れて夏が来た。
宇宙学者の父が、楽しそうに今日あったことを語る食卓。嬉しそうに聞いて笑う、母と俺。
ほら、当たり前のいい家族。
それでいいんだ
そうだ…いいんだ。
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