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声が出せない…
たくさん聞きたいことはある
なにから、聞く?なにを聞く?
頭の中が、混乱している。
ストンと胸の上に落ちるペンダント。
「…ラズリ?…もしや、力を封じられて…では、陛下もなにもご存じない……?」
青年が心配そうに、見つめてくる。
「あの…俺は陛下とかじゃなくて…」
言いかけて言葉が跳ね返ってくる。
「陛下に決まっています!ラズリといることが、陛下の証!」
握られた腕、力が強くなるのを感じる。
絶対に逃がさない…といったところか…?
「とりあえず…家に帰りたいんですけど…」
日が暮れる前に帰らないと
当たり前のいい子の姿が、崩れてしまう。
「では…わたしもついて行きます。」
この人を両親に合わせたら、もしかしたら……
「……勝手にしてください…」
自分の口から出た言葉に驚く。
そんなこと言ったらついて来るに決まっているのに…
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