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案の定、腕を握られたまま、家までついてきた。
この人のことを、なんて説明しようか…
不審者だと思われて通報されたら、もう2度と本当の自分の事を聞けなくなりそうで…
それは、避けたいところ。
いや、いや、本当にだたの不審者だったら…
でも、このペンダントの事を知っていたし…
色々な思考が巡る。
また、混乱しそうだ。
玄関の扉を開けて、いつも通り、ただいま、をする。
台所で料理をしている母が、気付いて、すぐに、おかえり、を返してくれる。
とりあえず、母を呼んでみる。
「母さん、あのさ…ちょっと来てくれる?」
母は、この青年のこと知っているのだろうか?
料理の手を止めて、玄関まで来た母は青年の顔を見るなり、驚いた様子で、口から出た言葉は
「…帰って下さい。ヒカルはうちの子です。」
知っているんだ……
この人のこと……
確信した
じゃあ、なんで
今まで、言わなかったの?
「……陛下はクラチアに必要なお方…返していただきます。」
睨み合う青年と、母。
そのまましばし、膠着状態になる。
なにか言おう…
ポツリと言葉を出す。
「母さん…知ってたんだ…」
知りたかったよ?
なんで教えてくれなかったの?
陛下ってなんだよ…
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