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「ヒカル、それは…」 偽りの仮面がいとも簡単に崩れ去る。 「…俺は本当のことを知りたかった!……だ、大嫌いだ!」 玄関を飛び出た、追いかけて来る青年。 母は、ただ、自分の事を呼んでいた。 もちろん、聞かないふりをして走る。 暗くなる街をただ目的もなく走って、気付いたら学校まで来ていた。 切れた息を整えてまた走ろうとしたところを、青年に捕まる。 自分を追いかけて彼もずいぶん走ったはずなのに息も切らしていない風だ。 「陛下、夜は危険です。ラズリも力を出せない以上は…」 「陛下って……ラズリってなんなんだよ?…お前はいったい誰なんだよ!?」 もう、ぐだぐだ考えるのは辞めた! 相手の事を考えることもなく、思った事を全部そのまま口に出す。 青年は少し寂しそうな顔をして自分を見下ろす。 「……本当になにもご存じないのですね…」 「意味不明、それだけだ!」 急に青年は、カラダをぎゅっと抱きしめて耳元で何か何かを呟いて…… 遠のく意識…… なにをされたのだろうか…
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