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あたしが知らないだけで、主任ともなるとこういう集まりとかいろいろあるのかな。
イヤイヤ、お金持ちじゃあるまいし。
「考え事するのはあとにしろ、ホラ仕事」
「えー、ご飯食べたい」
「挨拶終わったら食わしてやるから」
やった、堪能できる！
それじゃ、まぁ笑顔を振り撒いておきますか。
「桃、離れるなよ」
「…名前呼ばれるの変な感じ」
笑顔の主任がなんだか怖い。
鬼と言われているだけあって、普段は笑顔なんてないから。
貴重なモノを見ているんだろうけど、作っているってわかるからただの恐怖。
「慣れろ」
「ムリですー」
「羽室が女連れだ」
歩いていると前方にいた男性が、心底不思議そうに声をかけてきた。
どっかで見たことある。
というか、会社のパーティーだから、あちこちに見たことあるヒトはいるんだけど。
でも、このヒトは社外のヒトだ。
「嫁」
「マジ！え、若っ！」
「初めまして」
もしかしたらどこかで会ってるかもしれない。
しれないけど、初対面のフリをする。
だって、主任としてはその方がいいんでしょ。
「羽室の奥さんとか苦労するんじゃない？」
「イエ、それほどでも」
即答しないと怪しまれる。
だけど頼むから、あたしに話を振らないで。
答えられることなんて何もないから。
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