wish.2

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それから、たぶん二時間くらい。 あちこちで話す主任の後ろに、ずっとついていた。 愛想を振り撒くのに疲れて、口元がピクピクしてる。 「もう二度とパーティーとか行きたくない」 「あー、まぁ、別にいいよ」 帰る車の中、一人ブツブツと文句を言っていると、運転している主任からそんなお言葉。 「はぁ?だってさっきは一回きりじゃないって」 「イヤ、そのつもりだったけど、予想以上の反応だったから」 「反応?」 「…お前の今日の仕事」 チラッと主任を見れば、どこかおもしろくなさそう。 えー? あたし何もやらかしてないよ? 「それはもう良い嫁っぷりを発揮してくれたから、どこぞの女を紹介されることもなくなる」 「そうですか」 そうは言うけど、ホント主任の後ろにいただけなのに。 あれでよかったのか、疑問に思うところ。 だけどまぁ、主任がいいって言うんだからいいんでしょう。 「それならよかったです」 それを最後に家まで送ってくれる間、ずっと沈黙が続いた。 何か話そうにも話題が浮かばないし、何より疲れすぎて考える気力がない。 でも、なんだろう。 この沈黙、会社だと恐怖で耐えられないけど、今はもうプライベートだからか逆に落ち着くというか。 特に話さなくてもいっかと思ってしまう。 沈黙がイヤなら、主任が話しかけてくるだろうし。
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