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「そうか?」
「傍若無人なのに、優しいところあったんですね」
イヤ、ホント、このヒト誰?
新人の頃から見てるけど、優しさのカケラもないヒトだよ?
「わざわざプライベートでまで怒鳴り散らさねぇ」
「あ、自覚はあるんですね」
「いいから、寝ろっつってんの」
「ムリですよ、覚めちゃってますし、なんかお腹空いてきました」
このすっごい頭痛のことは伏せておこう。
とにかく今は、この密着をどうにかしたい。
「お前はプライベートだとワガママだな」
だって、そうでも言わないと、いつまでもこのままでいそうじゃない。
彼氏とかならまだしも、ただの会社の上司ってどうしていいかわかんないよ。
「ったく、なんか作ってやるからお前は寝とけ」
「優しいんですね、主任。ありがとうございます」
やっと解放されホッとしたのも束の間。
予想以上に強敵な頭痛が襲ってくる。
なんか、もうどうすればいいのかわからないほどの痛さ。
主任の部屋の探索とかしてみたかったのに。
こんな機会めったにないんだから。
…うん?待って?
なんか、さっき、主任てば上半身裸で布団から出ていかなかった?
もうすでに部屋にはいないから確認のしようがないけど。
え?なんか、やっちゃった?
「あー…うん、スーツのままだ、大丈夫」
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