彼等はまだ青春の狭間にいる。

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「いよいよ本番だな。今日は皆で作り上げてきたものを披露する日だ。俺ら3年生は今日が高校生活最後の公演となる。だから、皆で楽しんで素晴らしい作品を作り上げて行こう!」 学園祭当日、体育館袖で部長が部員全員に向かって声をかける。 今日が高校生最後の公演。 しかも、初めての主演。 すごくすごく緊張してきた。楽しんでやろうって部長が言ってるのにっ。 「島谷」 「は、はい! 部長!」 「お前なら大丈夫だ。いつも遅くまで練習頑張ってたし、実力もついてきてる」 「あ、ありがとう……」 「大丈夫、大丈夫だから」 部長は私の頭を優しく撫でる。 だめだ、泣きそう! メイク落ちちゃうから我慢、我慢。 「が、頑張ってきます!」 「あと、言い忘れていた」 「ん?」 「お、俺はここにいる誰よりも……島谷の事、綺麗だと思ってるから」 「え……」 「莉乃ー、早くー!」 「あ、はーい!」 え? え? えーっ!? 部長の突然の発言に動揺しながらも、私はステージへ。 言葉の意味を考えるのは公演が終わった後!!
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