彼等はまだ青春の狭間にいる。

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「あ、そういえば」 私は鞄から先程タクマから貰ったペットボトルを取り出す。 「飲み切ったけど、捨てられないや」 他の誰かからしたらゴミでも、私にとっては大事な大事な宝物。 タクマから貰った物だから。 「よくよく考えたらキモいな、私」 毎日毎日胸は苦しいのにずっとずっと我慢して、想いを募らせる。 早く伝えてしまえば楽なのかもしれない。 だけど、私は伝えた後の事を考えると怖くなる。 意気地なしにも程がある。 ずっと側にいて、一番近くにいると思ってる。 だけど、幼馴染という名前のついた関係が私を苦しめる。 私が一歩踏み出せない原因となっている。 簡単に、すぐに気持ちを伝えられる子が羨ましい。 周りの友達はガンガンアプローチして彼氏が出来たりしているのに、私は立ち止まったまま。 だけど、時間はどんどん進んで私の気持ちなんかお構いなく恐れていた日がやって来る。 「えっ? 今年、花火大会一緒に行けないの?」 「うん、悪い。約束しちゃってさ……」 「サッカー部の子?」 「まぁな。マネージャーなんだけど」 「そ、そうなんだ!」 翌日、タクマから突然いつも一緒に行ってた花火大会に行けないと言われてしまった。 しかも、女の子と行くのを理由に……。 「最近、マネージャーの子よくうちのクラス遊びに来てるもんね。仲良いんだ?」 「まぁな。好きな音楽一緒で今度ライブにも行く」 「そ、そっか! 良かったじゃん、良い感じの子出来て……」 何で……何で嬉しそうな顔して話すの? 今迄の女友達とは違うの……? 「上手く行ったら一番に莉乃に報告すっから」 「えっ?」 「初めてなんだよ。こんなに付き合いたいって思った子」 何それ、今迄我慢してきた私……バカみたい。 大事な時期だからとか関係壊したくなくて言い訳して逃げて逃げて。 タクマはとっくに私からずっとずっと遠くに居たんだ。 「応援するね!」 だけど、結局笑顔を作って応援している良い幼馴染を演じてしまう。 私は良い子なんかじゃないのに。 本当は嫌で嫌で上手く行かないでって願ってるのに。 今迄何も出来ずにいたくせに、自分勝手。 「莉乃も卒業までには見つけないとな」 「うるさい!」 明るく振る舞う事しか出来ない。 諦めるしかないんだね、私。 ずっと我慢して我慢して18年も何してきたんだろう。
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