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188. 『かなりピンボケ』
台湾 Taiwan 1994 ( 鹿港 Lukang )
本日のタイトルは小生が大好きな報道写真家ロバート・キャパの著書『ちょっとピンボケ』をもじったモノなんですが、要はボケた写真もそれはそれで、モノによっては味わいがあるということを言いたいわけで、そもそもピントが甘いことで定評がある(?)小生の様な技術力の低い写真家には便利な屁理屈になるわけです(笑)
そんな小生でもピンボケ=ミスショットで大抵の写真はプリント対象からはじいてしまうのですが、今回の作品のように意図せずボケてしまったことで、逆に味わい深い雰囲気がでることも稀にあるんですね。
撮影地は古い町並みが残っていることで知られる台湾の中堅都市、鹿港。
夕食の帰り道にどこかの暗い路地裏で小さな飲食店を窓越しに撮ったモノですが、ピンボケが転じて店内の物語性が際立つ様な作風になりました。
結果(作品の仕上がり)を予見するのがプロの仕事ですが、結果オーライがよくあるもの実際の写真の世界の特徴なんです。
フィルムで撮っているからなお更なんですけど、撮る度に確認できるデジカメが当たり前だとこういう作品は生まれにくいのかも知れませんね。
おしまい
次回水曜日は香港からです。
※前回のお答えコーナー(総評)
前回は紀行文の補助的な回となりましたが、お陰様で『空色のスローボート』無事に完結することができました。
10年以上まえに執筆したものなので、実際読み返すと「今どきないわ~!」的な青臭い表現なども随所に見られ、一時は一から書き直しも考えたのですが、最初に書いた当時のメンタルは大事にするべきだと思いなおし、そのまま投稿いたしました。
その稚拙な文章に根気よくお付き合いくださった常連の皆様にはいつもながら感謝しかありません。
最終ページにも記しました通り、『空色のスローボート』は『メコンの三部作』の第一部であり、第二部にあたる『古都』は8月頃より連載の予定です。
舞台は乗り継いだズピードボートでたどり着いたラオスの旧都ルアンパバンで小生の故郷である京都との対比を描いております。
令和の世にあってはまたまた堅苦しい文章が続く予定ですが(笑)、中建のアジアの旅はもう少し続きますので、お時間の許す範囲でいましばらくお付き合い願えると幸いです。
では今後ともご贔屓によろしくお願いいたします。
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