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215.『昆布の絨毯』知床岬昆布番屋編第三回
日本 Japan 2016(北海道 Hokkaido)知床岬
前回は海で採った昆布をヒモで結わえて海中にストックするところまで説明いたしましたが、第三回の本日はいよいよ浜を使った昆布干しです。
上の写真は番屋前の砂利浜に目一杯干された生昆布、スマホなどでは大きさが分かりにくいかと思いますが、右下のドラム缶や左下の洗濯モノを見て大体のイメージをしてみてください。
相当な広さと本数であることがお分かりいただけると思いますが、これを朝の夜明け(4時ごろ)から二時間ほどかけて全て人力で運んで干すのです。
写真で順を追って説明しますが、モノクロは1990年代、カラーは2016から17年というのを念頭に置いてご覧ください。
まずは海中にストックしていた昆布を夜明けを待たず舟で引き揚げ、そこから結わえていたヒモを引いて浜中に配りだします。
正に人力頼みの力業!
一族郎党皆で昆布を曳きます。
思わずワンコ🐶もつられて歩き出します(笑)
ヒモを解いて昆布を一枚一枚砂利浜の上に重ならないよう丁寧に干していきます。
真夏の刺すような日の出の日差しを真横から浴びて思わず顔も歪んでしまう過酷さ!!
北海道だから涼しいんでしょ?なんてことは一切ございません!!
夏は普通に暑いです💦
浜一面に干せば昆布地平線を見ることができます!
夏の間、毎朝人力のみでここまでやるんです!
人間って本当に凄い!!
望遠レンズで生昆布を干す釧路のJKを格好良く撮ってみました。
ボケていますが奥に浮かんでいるのは昆布漁船です。
余りに夢中になって皆で昆布を干していると、気付かぬ間にヒグマ🐻さんが波打ち際の浜をのそのそと歩いていることも…。
昆布に泥やコケが付いている場合は商品価値が下がってしまうので、干す前に一枚一枚洗浄機にかけて洗います。
昔の赤岩の昆布は海が綺麗なので、干す前に洗わなくても良いのがメリットの一つでしたが、撤退直前は全てこのように洗っていました。世界遺産の海も汚れてきた証拠ですね。(羅臼方面の昆布は昔から全て洗浄機で洗うのが基本です。)
これだけの本数を洗うって、考えただけで気を失いそうです!!
こうしてようやく一枚目の浜一面の『昆布の絨毯』が完成いたします。
そこまでとてつもない労力が掛かっていることが伺えますね。
とりあえず本日はここまで。
赤岩の番屋が無くなったことで、浜で昆布を干すスタイルは羅臼から消滅しましたが(現在は全て洗浄後乾燥機を使って乾かします。)、こういう風情が無くなるのは本当に残念ですね。
我ながら素晴らしい風景を記録させてもらったと思います。
次回(再来週)の第四回は干された昆布はその後、どのように扱われるのか?タイトルは『昆布は一日では乾かない!』です。
えっ?昆布って一日太陽🌞に干して終わりじゃないの?と思われた皆さん、知床の昆布はまだまだこんなものではありませんよ!
その秘密は次回をお楽しみに~!!
おしまい
明日は中国の上海からです!
※前回のお答えコーナー
<→ルカさん>
お婆ちゃんの笑顔とアヒルちゃんの愛くるしさに免じてお許しをって感じで、そういう時は純粋に写真だけ見てください。大の字の花壇って、もうそれミステリーというより漫画の世界ですよね(笑)
<→新城さん>
フォアグラを食べるときまた思い出して、いやん💧してください(笑)
<→砂たこさん>
おっしゃる通り日本も少し前まではそんなの当たり前の時代だったんですよね。冷蔵、冷凍技術の進歩だけで、それくらい文化は急激に変わってしまうものなのでしょう。確かにお婆ちゃんの笑顔「今夜はご馳走!」って吹き出し付けたらしっくりしますね。『命の木』ちょっと調べてみようかなぁ。
<→花果さん>
シエラさんの説明でアヒルと判明いたしました。悲しそうに見えるのはきっと人間が心の中で創り出した妄想で、アヒルちゃんも間違いなく何も考えてないんでしょうけど…、あぁ、辛い!!
<→シエラさん>
たくさんコメントお気を遣わせてしまってありがとうございました。まずはアヒルの特徴全く知りませんでしたので勉強になりました。でも別々に見たら平気で間違えそう(笑)
よくこのページでは大喜利的にアホな会話を平気でしてますが、皆さん懐は深い人ばかりなので、そこはあえて空気を読まずシエラさんらしく真っ直ぐに切り込んできてください。時々話が詳し過ぎてドン引くこともありますが、実際には勉強になって有意義ですんで。
鳥居龍蔵って民族学者というイメージしかありませんでしたが、ちらっと調べてみると凄い量の写真撮ってますね。アジアの写真が多そうなので詳しく見たくなりました。簡単に手に入りそうな写真付きの入門書とかあったらお暇な時でいいので紹介してください。Amazonとかで買える程度でお願いします。
あと、かけていただいた言葉に関しては、簡潔でしたが言葉の裏にある重みや情念みたいなものをこちらが勝手に汲みっとったというだけのことなので、あまりお気になさらず。それよりコンテストの準備期間に入られるということですが、シエラさんはきっと無心になれば人の心に刺さる作品を書ける方だと信じておりますので月並みですが頑張ってくださいね。陰ながら応援しております。写真もそうなのですが、雑念を断ち切って無心のゾーンに入れば自ずと良き作品が生まれるものです。
<→梅さん>
日常から死の概念や光景を無理に消し去ってしまうと、一緒に命への感謝や尊さみたいなものまで学べなくなりますよね。そう食品ロスは無くしましょう!
アヒルちゃん来世で一緒になっても多分互いの個体認識は無理でしょうね💦🦆
<→花奈江さん>
オカンが子供の頃は鳥なんか普通にシメてたって言ってましたが、日本人もあっという間にヤワな民族になってしまったんでしょうね。花奈江さん、お魚捌けるの凄いですね。私もできるようになったのは北海道の番屋に通うようになってからですから、網にかかった鮭とか大量虐〇して腕を磨きました(笑)でもアヒルちゃんはわたしも無理ですね。確かにこれ差別だわ!鮭さんたちごめんなさい!
<→蜜原さん>
お婆ちゃんの笑顔とアヒルの愛くるしさをわざわざ残酷に説明しちゃってすみません💦審査員の件、そもそもドキュメンタリー系のコンテストなんで芸術性は二の次扱いなんでしょうけど、事故前に原発を取材をしていた私なんかは事故後の作品はどれもこれも陳腐な賞レースに見えちゃうんですよね。その審査員、原発ネタ好きを公言されているわけではありませんが、原発ネタが賞の最低条件やぞ!って感じのバイアスは何となく感じてました。(憤っているというよりは諦めみたいな感じですが…)悪い意味で予想通りになりましたが、今は忖度しなかった自分を褒めてやりつつ自らを慰めております(笑)いろいろお気遣いコメントありがとうございました。
<→いでちゃんさん>
うちらの世代はもう完全な切り身当たり前世代ですけど、いでちゃんのお義母様なんかの世代はかつて日常的にバンバン鳥などを捌いていたかもしれませんね。それに比べれば野菜の栽培なんか簡単すぎて…なんて感覚かも知れませねよ。できたての野菜の写真を見てるだけで、眼には見えませんがそういう種類のタフさが伝わってきます!
<→たやすさん>
中国は絶対認めないでしょうが、核心がその辺りにあるのは間違いなさそうですね。
<→キキさん>
私も現地で見たのが初めてでしたが、とにかくデカくて牛よりも存在感がありましたね。106ページ
社会に鉄などが不足している苦肉の策なんでしょうけど、安全面の問題をのぞけば、仏像にも傷がつかず軽くて設営も容易でいいのかも知れません。そう言われればほんとに曲芸師に見えてきました。107ページ
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