62人が本棚に入れています
本棚に追加
225. 『崖の下の赤岩』知床岬昆布番屋編第5回
日本 Japan 2017(北海道 Hokkaido)知床岬
なんだかジブリの人気作品のパクリのような今回のタイトルですが、赤岩という場所は上の写真を見ていただければ分かるように、かなり急峻な崖の下にあるのです。
※海の中は昆布だらけ、聖地と呼ばれる由縁です。
この二枚目を見ていただければより分かり易いのですが、浜全体が東側を向いているため、午後の二時ごろにはその大半の浜辺が日陰に入ってしまうのです。
夏の天気の良さと浜の広さには恵まれた場所なのですが、唯一その点だけが赤岩の欠点と言えるかもしれません。
しかし、たとえ日の出から夕方まで晴天でびっちり干せたとしても、昆布が一日で完全に乾かせることは絶対にありません。
いいとこ八割五分乾が限界といったところでしょうか。
ならばどうするか…?
そこで、天日で干した昆布を補助的に完全乾燥させるために生まれたのが、このボイラーで温風を生み出す乾燥小屋(右側)。(2016)
雨続きでやむなく生昆布から干すと乾燥まで一昼夜かかることもあります。
因みに、転がしているドラム缶の中身は燃料の重油で、赤岩には重機などは一切存在しないので、舟からの積み下ろしや運搬、給油などは全て人力でおこなわれます。
タンクは少し高め位置にあるので最後の登りは力業💪(2002)
給油も手回しポンプを使います。(2002)
話が少し脱線したので軌道修正。
ココで改めて前回クイズの答え合わせになりますが、ワニ口の洗濯バサミを根っ子の切り口に付けるのは「一日では乾かない乾燥小屋に入れるため」でした。
ほぼ全員が正解!砂たこさんはさすが道産子、完璧でした。
午後二時ごろから日陰に入った浜で乾ききらない昆布を集めていきます。(1998)
もはや格闘技レベルですね(笑)
こちらは孫娘のJK時代。(2001)
昆布の扱いは少し雑ですが、風吹く浜辺で絵になっています。
ムシロにくるんで運ぶこともあります。(1999)
そして集められた昆布は乾燥小屋内部へ運ばれ、釘の打たれた竿にワニ口の洗濯バサミを使って一枚一枚手作業で掛けられていくのです。(2016)
朝からあれだけの仕事をして、夕方にまだこの仕事量。
並の人間なら発狂ものです(笑)
余りに量が多いとこの始末!!出口まで満杯です。(2016)
釧路JKのふくらはぎがまぶしい夏の午後でした!
でも、よくよく考えてみると乾燥小屋など無かった時代は乾かない昆布を二日も三日もかけて浜に広げ直していたといいうんですから、昔の人たちはほんとうに偉大ですねぇ。
本日はここまでといたしますが、ご覧の皆さん、これでようやく昆布の完成だ!!と早合点してませんか?
実はココからの工程が高級食材『羅臼昆布』の真骨頂なのですが、その説明は次回のお楽しみといたします。
再来週、第六回のタイトルは『えっ!?せっかく干したのに…何で?』です。
おしまい
明日の中国編は北京からです。
※前回のお答えコーナー
<→ルカさん>
見えない何かと繋がっているような…、絵になるものは逃さない当時の中建でしたが、これはかなり引き込まれた記憶があります。こういう写真を撮った夜はビールがとても美味しく感じるんです。
<→いでちゃんさん>
テーブルというより、日本でいう床几みたいなものですが雰囲気ある船内でした。ご想像通り乗船中は一切言葉発していない二人でした。良い勘してますねぇ。
<→砂たこさん>
写真ってそういう雰囲気みたいなものが、割と正直に写ってしまうんですよね。まぐれも多いんですけど不思議なものです。
<→倉橋さん>
大学時代にあ賞を貰った作品です。自慢になってスミマセン💦5ページ
デヴィッド・リーンの『戦場に架ける橋』もう若い人たちには通じないだろうなぁ(笑)6ページ
<→梅さん>
広い船内なんだから、もう少し離れても…って思いますけど幼いころからずっと一緒の仲良しさんなのかも。BLではないとおもいますが…(笑)
<→蜜原さん>
ホロコースト後のカンボジア、信仰の復活の時代だったと思います。
<→花奈江さん>
そんなことだろうとは思っていましたが、少し心配しとりました。よく見ると『プリズンブレイク』の主人公マイケルみたいなイケメンですね。確かにモテそうですが、アジアのお坊様、女性とは触れ合えませんね。残念‼228ページ
JR貨物の平台なら絶対ホームから飛び乗れますよね。私もいつもホームで妄想してます。227ページ
<→たやすさん>
廃止される渡し船のストーリー、共感する読者は多いかも知れませんね。
<→花果さん>
「凛としたたたずまい」の見本のような二人でした。
<→新城さん>
車社会では味わえないひと時です。
最初のコメントを投稿しよう!