6人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ
スペースサーモン1
今日は愛しのサティに出逢ってから二度目のサティの誕生日。
プレゼントは用意した。
後はこれを渡す為に何処かサティの好きな食べ物がある食事処で…と。
「サティ。何か食べたい物はあるか?」
そう聞くとサティは振り返る。
「あー…なんでも食うよ」
「そうじゃない。一番食べたい物だ」
「あー…じゃあ、スペースサーモン握りが食べたい」
「おにぎりか」
おにぎりなら…俺でも作れるな。
「違う違う。寿司の事だよ。寿司」
すし?
俺が首を傾げるとサティは端末をいじり、見せてくれる。
米の上に生魚の切り身がのっていて、しょうゆで食べる…ふむふむ。
「キリオの親がやってる料理屋で食えるんだけど、すげぇ美味いんだぜ。この時期の生サーモンは脂乗りっ乗りでとろけるんだ」
「じゃあそれを食べに行こう。俺が出すから遠慮なく食べてくれ」
「え?マジ?やったー!」
喜ぶサティ。
勿論今までサティに金を出させた事はない。これからもずっと、出させるつもりはない。
まぁ…部屋に増えていくサティのお気に入りのものに関しては別だ。好きにさせている。
「休暇申請をするから待ってくれ」
ばっと端末を操作し、休暇申請をしておく。
これで滅多な事がない限り呼び出される事はないだろう。
「よし、行こうか」
「おうっ!」
最初のコメントを投稿しよう!