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「ここ?」
僕はそっと心臓に手を置いてみる。
征司の鼓動は手のひらで感じ取れるくらい荒々しい。
「俺の中にあいつがいると思うと……ここまで支配された気分になる」
まるで何かを振り払うように頭を振ると、セットされた髪が妖しく乱れた。
「日毎にそんな気がしてくる……今日は特に朝から鼓動が激しかった」
「んっ……ど……して……?」
求めて僕のシャツを乱雑に脱がしながら、唇が首筋を下りてくる。
「さあな、あいつといると分かっていたから——」
「はんっ……!」
いったん肩先まで下った唇は
耳元に戻り深く耳奥を犯しながら囁く。
「——疼いて仕方なかったんだ」
「んんっ……!」
されるがまま身体を委ね抵抗も示さず——。
それでも僕の頭の半分は消えてしまった九条さんの事を考えていた。
「おい、こっち見ろよ」
「はい……」
「俺が抱くから何も考えんな」
そんなの征司にはすぐばれるって分かっているのに。
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