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征司が何が何でもそう言わせたいのは分かった。
僕だって泣くほど我慢したけど——でも——。
「言えよ……そろそろ本当に壊れちまうぞ?」
長時間だ。
君が考えているよりもっと。
もっともっと長い時間。
「僕はっ……」
「僕は?」
「ダメ……ッ……言えないよっ……」
「だったらも一度体位を変えるか」
嬲られ甘やかされ引き抜かれまた押し込まれ。
「イヤ……殺して……」
現実はずっと残酷なんだ。
「殺しはしないさ。可愛がってる最中だ」
「愛してるというから……あなたを愛してるというから……!」
いつの間にか正常位に戻され征司の顔がすぐ間近にあった。
「足りない……」
「ンンッ……!」
唇がすれすれに近づくほど僕の身体は深くまで貫かれ。
「俺の中にあいつがいる。だからもう俺一人で構わない。そうだな?」
「ああ……」
涙でぐしゃぐしゃに濡れた顔をこんな時だけ優しく撫でる指先。
「……う……ん」
誘導尋問だ。
頭では分かってる。
「頷いたな?」
「だからもうやめっ……!」
でも身体はそうはいかない。
「おっと、逃げるなよ」
なんとか這い上がろうともがく僕を抑え込み征司は舌なめずりして言った。
「ちゃんと言葉で聞かせろ」
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