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「ひとりで……いい……」
僕を追い詰める征司の瞳になぜか九条さんの眼差しが宿る。
彼が征司の中にいるのは本当みたいだ。
「あなた……ひとりで……かまわない……」
だからこそ僕は言えたのかもしれない。
感情を――おいてけぼりにして。
「もう一度言え」
それでも今日の征司は厭わなかった。
「征司……だけでいい……」
「もう一度……!」
ただ僕を手に入れて。
一心不乱に僕を抱いて。
「僕には……征司……だけでいいよ……」
思い通り支配する。
「なら逝くか?俺と一緒に——」
それだけが目的で
それだけが最終地点のような顔をして
「うん……」
必死なのにどこか嫌な余裕があった。
「イキたいです……」
切羽詰まった僕とは違って——。
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