episode245

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「ひとりで……いい……」 僕を追い詰める征司の瞳になぜか九条さんの眼差しが宿る。 彼が征司の中にいるのは本当みたいだ。 「あなた……ひとりで……かまわない……」 だからこそ僕は言えたのかもしれない。 感情を――おいてけぼりにして。 「もう一度言え」 それでも今日の征司は厭わなかった。 「征司……だけでいい……」 「もう一度……!」 ただ僕を手に入れて。 一心不乱に僕を抱いて。 「僕には……征司……だけでいいよ……」 思い通り支配する。 「なら逝くか?俺と一緒に——」 それだけが目的で それだけが最終地点のような顔をして 「うん……」 必死なのにどこか嫌な余裕があった。 「イキたいです……」 切羽詰まった僕とは違って——。
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