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賢者タイムとはよく言ったもので——。
徐々に頭が冷静になってくると
今日1日の流れが僕にいつにない違和感をもたらした。
九条さんに仕事を頼まれて。
スタジオに征司が現れる。
ひょんなことから僕らが一緒に撮影することになり。
九条さんは席を立ってしまった。
そして——。
僕が手際の悪いアシスタントにジュエリーを外してもらってる間。
征司と九条さんは外で話をつけた。
征司は『今日はこのまま帰ってくれ』と頭を下げたと言ったけど——。
そんなことで九条さんは引き下がるだろうか?
ただでさえ最近——僕をめぐっては好戦的だった彼が。
「何を考えてる?」
僕が背を向けていても考えてることが分かるのか?
征司は苛立たし気にそう言うと。
「シャワーを浴びたいの……」
「まだ無理だろう」
脱力したままの僕の身体を己の方へと向き直らせた。
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