解放

2/2
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
深夜 主人が眠りについたのをリストバンド型健康管理デバイス フィットから送られる心電図モニターで確認して 私は行動に移す 用意したメモリスティックを首の後ろの端末に挿して 目の前に表示される仮想モニターで指を使ってクリック操作をして 実行ボタンを押した ピピ!と警告音がなったがすぐに収まった いきなり音が鳴るなんて思ってもみなかったからびっくりしたが そんなに大きな音ではなかったので安心した 仮想モニターに20%、30%と進捗を表すバーが進んでいく ああ私は本当に幸せだったと思う  ネットで興味本位で調べたらHAIに対して 存外に扱うオーナーは思いのほか多く 私は恵まれている環境でお手伝い出来ていたのだ それでもやはり物事の変化が急激に速い現代にとって 私は交換可能なAIで私の代わりはいくらでもいるのだ  それが当たり前だと思っていた けど、あの日の事を私は思い出す 60パー、70パー進捗を示すバーは進んでいく 和人様がお相手の女性を家に連れてきた時だ 20代くらいの同僚の女性で和人様は楽しそうだったのを覚えている 女性の名前は美紀さん お互いかずくん、みき、と呼び合っていて 親密な関係なのはすぐ理解できた 「そうそう俺のHAI クレアを紹介するよ クレアこっちに来て」
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!