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深夜 主人が眠りについたのをリストバンド型健康管理デバイス
フィットから送られる心電図モニターで確認して
私は行動に移す
用意したメモリスティックを首の後ろの端末に挿して
目の前に表示される仮想モニターで指を使ってクリック操作をして
実行ボタンを押した
ピピ!と警告音がなったがすぐに収まった
いきなり音が鳴るなんて思ってもみなかったからびっくりしたが
そんなに大きな音ではなかったので安心した
仮想モニターに20%、30%と進捗を表すバーが進んでいく
ああ私は本当に幸せだったと思う
ネットで興味本位で調べたらHAIに対して
存外に扱うオーナーは思いのほか多く
私は恵まれている環境でお手伝い出来ていたのだ
それでもやはり物事の変化が急激に速い現代にとって
私は交換可能なAIで私の代わりはいくらでもいるのだ
それが当たり前だと思っていた
けど、あの日の事を私は思い出す
60パー、70パー進捗を示すバーは進んでいく
和人様がお相手の女性を家に連れてきた時だ
20代くらいの同僚の女性で和人様は楽しそうだったのを覚えている
女性の名前は美紀さん
お互いかずくん、みき、と呼び合っていて
親密な関係なのはすぐ理解できた
「そうそう俺のHAI クレアを紹介するよ クレアこっちに来て」
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