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今日もスマホを前に、大きな溜め息が出た。
と、同時にスマホが光り着信音が流れ始める。
もしかして、飯田くん?
「もっ、もしもし?」
確認もせずに取ると、向こうから大きな笑い声が聞こえる。
「詩織~久しぶり!何焦って電話取ってるの?めっちゃどもってたよ!」
「……なんだ、春香か」
春香は私の幼なじみであり親友だ。
社会人になって会うことは減ってしまったけど、こうして時々電話がかかってくる。
「何だとは何よ!それより最近帰り早いみたいだけど、何かあった?」
「えっ……?」
そう、この一週間は飯田くんに会っていないから、仕事が終わったら真っ直ぐ帰宅している。
休日の違う私たちは少しでも会う時間を確保したくて、仕事帰りに会ったりしているのだ。
「何で知ってるの?」
と聞けば、春香が帰宅するときに私の部屋の明かりが灯っているからだ、と言う。
そして、
「どうせ彼とケンカでもしたんでショ」
と、優しさを含んだ呆れた声がスマホから聞こえた。
まあ、ケンカではないんだけど……と前置きした上で、いいから話せとせっつく春香に胸のもやもやを聞いてもらうことになった。
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