恐怖のアラーム

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恐怖のアラーム

目覚まし時計が壊れた。朝起きられなくて会社に遅刻。課長からこっぴどく説教を受ける。帰りがけ、目覚まし時計をと思ったが、遅刻した分際でもう帰るのと課長から皮肉を言われ、やむ無くサービス残業。で、22時まで営業している家電量販店は閉店。まぁ、スマホにもアラームあるしなと、この日、目覚まし時計は諦めかける。が、ふと深夜2時まで営業しているリサイクルショップを思い出した。この町に2年住んでいるが、入るのは初。小汚ない店内で、売り物が乱雑に置かれている。有るのかなと不安にかられていると、背後からカタンて荷崩れする音。 振り返ると、半分顔を出した目的の目覚まし時計。手に取ると100円のラベルが貼られている。箱はないが、カラフルな赤。何か妙に惹き付けるものがある。少し耳の遠い店主にお金を渡し、店を後に。途中コンビニで夜食を買い、家路についた。 もう時刻は1時過ぎ。身の回りの事を簡潔に済ませ、購入した目覚まし時計のアラーム時間をセットし、枕元に置く。電気を消して、朝を待つ。どんなアラームがなるんだろうか。疲れた体は易々と眠りにつかせた。 ・・ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね んんっ・・朝日がカーテンからもれている。朝が来たようだ。おぼろげに聞こえるアラーム?何か人、女性の声? 死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね 目覚めてハッキリ、それは聞こえる。な、な、なに?慌てて目覚まし時計を止めようとする。が、その手を氷のように冷たい何かが掴んで離さない。枕元に目を向けると、頭が半分陥没し、脳髄がもれた女性がいた。 こちらを凝視し、死ね、死ねと呟きながら・・
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