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「よいしょ・・・と!」
パパが声をだして、妹のアンちゃんを持ち上げて、自転車の前の椅子に入れて、カチッカチッとベルトを締めて落ちないようにしました。
「よいっしょっ・・・と!ナツはやっぱり重いなぁ~!」とアンちゃんを持ち上げた時よりも、さらに大きな声で、今度はわたちを持ち上げて、自転車の後部座席に入れました。そしてカチッカチッとベルトを締めると、「さぁ!行くか」と言って、自転車を漕ぎだしました。
おうちプールでいっぱい遊んだ、あつい夏も終わって、お外も涼しくなりました。この前のお休みは、わたちの5歳の誕生日で、パパとママからプリセンスのドレスを買ってもらって、すごく嬉しかった。おじいちゃんとおばあちゃん、それからジィジとバァバからも、おもちゃを買ってもらいました。
「最高の気分だぜ!」と、保育園のお友達の男の子がしゃべっている言葉を真似してみたら、みんな笑っていました。
だけど・・・今日は5回保育園に行って、2回お休みの1回目だけど、ちっとも楽しくありません。前に座っているアンちゃんは、まだ2歳だから分からないみたい。
(だってだって今日は・・・病院でチックンする日だから・・・。)
ちょっと前から、ママが「5歳になって涼しくなったら、チックンするからね。」と、とっても怖いことを言っていました。5歳になったらチックンするんだと思ったわたちは、もう5歳の保育園のお友達に、チックンが痛かったか聞いてみました。男の子のお友達のはると君に聞くと、「もう僕チックン泣かないよ!」と、いばって言いました。
双子の女の子のお友達の、いおりちゃんとみおりちゃんにも聞きました。
「4歳までは泣いたけど、5歳になったから大丈夫だった。」
と声を揃えて言いました。
「ナッちゃんも5歳になったから大丈夫だよ」
あんなに痛いのに、どうして大丈夫なのか、わたちにはちっとも分かりません。
「着いたよ!」
小さい頃から通っている、見慣れた病院の前で、パパが自転車を止めました。
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