目覚め

22/31
54人が本棚に入れています
本棚に追加
/807ページ
鉤爪を掴む。 このままここで寝転んでいてもいずれ死ぬ。ならば賭けるしかない。 覚悟を決めて、フクロウ頭の肉片を口に頬張る。悲鳴を上げて化物どもを呼び寄せないように噛み締める。 ぐっ。 わずかに動かしただけで全身に怖気のような痛みが走る。脂汗が吹き出る。 ごくり。 肉片の一部を無意識に飲み込んでしまった。だがなぜかそれで体に力が甦る。 さらに鉤爪に力を込める。 ぐぐぐ・・・。 ぶしゅっ。 カラン。 「くぅぅ。」 なんとか抜くことができた。痛みで悶絶し己の流した血にまみれる。 腹に開いた穴は拳大。なぜ生きているのかわからないほどに大きく深い傷。確実にこの傷は腸まで届いている。 破傷風、腹膜炎、敗血症。俺でもわかる致死性の傷。死は確実。それがわかっていながらなぜだか肉片を探し、それを口に頬張り続ける俺。 腸が裂けているのに意味があるのか?今更栄養を取ってなんの意味がある。そう思いながらも俺の体は止まらない。 部屋中に飛び散った肉片を這いずり集め、そして貪り続ける。
/807ページ

最初のコメントを投稿しよう!