風来坊

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「あ、痺れる」  街路樹の近くを駅に向かっていたサラリーマンがしゃがみこんだ。地面を伝った電流で感電したのか?我々の戦いによって善良な市民に初めての負傷者が出てしまった。俺が呆然としていると、  メキッ、メキメキッ  炎を上げる街路樹が幹の真ん中あたりで折れ、サラリーマンに向かって倒れ始めたではないか!どうする、俺! 「華麗なるへんしーん」  俺の背後から声がしたかと思うと黄色いジャケットを着た男がサラリーマンに駆け寄り、さっと抱きかかえ危ういところで救出した。
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