言の葉の川

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しかし、彼が小説家であることを知ったのは、大学に入った頃だった。 彼はそれまで隠していたのだ。 彼に自分が小説家であるということを告げられた時、僕は「酷いじゃないか」と思った。 しかし、今考えると彼は孤独になりたくなかったのだろう。自分が有名人だと明かしてしまうと、僕が距離を感じてしまうと思ったのかもしれない。 そんなことあるわけないのに、僕は彼が小説家なんでどうでも良くなるほど彼が好きだった。
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