言の葉の川

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大学2年夏 Mはずっと物憂げな顔をして講義室の部屋の窓から溢れてくる風を浴びていた。 「どうしたんだ?」 僕が問いかけると彼は、はにかみながらも真剣な眼差しで 「お前は言葉の川って言うものを信じるかい?」 と問いかけてきた。 僕はそんな実体のない言葉が川を作るなんてありえないと言った。 彼はそれきり口を噤んでしまった。
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