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「もっと……傍に、いて……欲しかった……っ」
母さんに──
行かないで、死なないでと
縋りつきたかった。
もっと、笑って欲しかった。
ただただ、子供らしく甘えて
その手で、抱きしめて欲しかった。
本当は、もっともっと
母さんに
「生きて…いて……欲しかった──…っ」
溢れた涙は、その後も、止まることなく何度と頬を伝った。
それは、まるで、積もり積もった痛みや悲しみを洗い流すかのように
静かに静かに流れ続けた。
肩を震わせ泣く飛鳥の姿は、まるで幼い子供のようだった。
母親がいなくなって
悲しいと泣いている。
弱くて脆い
小さな小さな子供のように──…
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