飛鳥と隆臣

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   春には高校生になるはずの双子なのに、どうも頼りない。  飛鳥はそんな双子に呆れつつも横で騒ぐ華を軽くあしらうと、出来上がった熱々のオムレツを皿に盛りつける。  飛鳥はこう見えて、とても器用だし手際もよい。  そして、蓮が着替えて戻ってくる頃には、朝食の準備は、いつもしっかり出来上がっているのだ。  ◇  ◇  ◇ 「兄貴、今日は講義あるの?」  その後、ダイニングテーブルに腰掛けた三人は、いつものように朝食をとっていた。  双子の向かいに座る飛鳥が 「あるよ。あとで、(たか)ちゃんが迎えにくる」  そう答えると、それに続いて、華も会話に加わりはじめる。 「私、葉月(はづき)と約束あるから、今日学校から帰ったら、またでかけるね!」 「出かけるって、どこに?」 「お買い物! クリスマスにみんなで、プレゼント交換することになったんだー」 「へー……クリスマスか」  
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