1話 《テンソード使い》レイガ

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1話 《テンソード使い》レイガ

 (剣)の世界では無数の剣が空中を飛んでいる。  それはまるでトンボのような光景であった。大勢の人々が剣に関わる仕事しかしていない。  作物を育てる風習がないので、その剣術で化け物を倒し続け、その肉を食らった。  そこに誰もが夢を見る青年がいた。  どんな少年でも彼のようになりたいと思う人物だ。  テンソード使い、つまり10本の剣を扱える天才がいた。  彼は屋根の上でぐーたらしていた。  猫に猫パンチをくらって目を覚める。 「ふゎああああ、すげーめんどい、どうにかしてくれねーかなこの日差し」  そんな事を1人で呟いていると。 (剣)の世界に地震が響き渡った。  そして彼等は気付くのだ。そこに天才と呼ばれたテンソード使いが忽然と消滅している事に。  彼の名前はレイガ、1人の母親に捨てられ、高級そうな箱に入れられた彼は川をどんぶらこーどんぶらこーと流され、1人の糞爺に拾われた。  のちに彼はレイガの養父となるのだが、その糞爺はめっぽう剣にうるさい、赤子に剣を振るわせると笑い声を上げて「ま、まじなのか」とさせた本人がビビっていたほどだ。  そのレイガは22歳に到達しており、めんどくさいで生きて来た。  彼は今、ゆっくりとに流れる川をどんぶらこーどんぶらこーと流されていた。  今回は高級な箱はなく、なぜか沈む事はしなかった。  彼等(剣)の世界の住民は凄く軽いとされている。   しかも取れる素材も凄く軽い。これは殺し合いの世界で生きて行く事に必要な事だったりする。  相手の攻撃を防ぐのではなく全てを避ける。
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