冬の夜をきみと-メリークリスマス-

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「名前を呼んで、省吾」 「ん……ハ、ル……」 「省吾、大好きだよ」  歪めた表情が微かに和らいだように見えた。  省吾の中は狭くて、俺の肉棒にみっちりと張り付いてくる。狂おしい程の快感に、俺も目を閉じ身体を震わせた。 「省吾、全部入った」 「や、言うなっ……」 「わかる? 俺の全部、飲み込んでる……省吾の中に、俺がいるの、感じる?」  ゆるゆると腰を揺らせば、甘い吐息が聞こえてきた。  少しずつ動きを大きくして、結合部を擦り付ければ、省吾も腰を揺らし始めた。後ろから省吾の片足を持ち上げて割り広げ、深く密着させると、恥ずかしがっていた声もしだいに大きくなっていく。  体位を変えて正面から抱きしめれば、夢中ですがりつかれた。 「そんな可愛い姿を見せるのは、俺だけにして」  流れ落ちる涙を舌先で舐め、唇にしゃぶりつく。 「ここも、全部、俺だけのものにして」 「そ、んなの……」 「省吾、省吾……ああ、どうしたらいい」  下から突き上げる衝撃に顔を歪める省吾が愛しくて堪らない。  ぬめりを帯びた省吾の先端が俺の腹に擦りつけられる度に、省吾は蒸気した頬に涙を伝わせ、息を荒げた。 「あっ、あっ、あっ……ハ、ル、また、いっちゃ……」 「省吾、出して、俺にかけて」 「んっ、う、あ、あ……っ!」  省吾の白濁を受け、全身をゾクリと何かが突き抜けた。  欲しい。足りない。もっと。  省吾の全てが欲しい。  肌を打ち付ける音と省吾の喘ぎ声が響き渡り、俺は省吾の中で果てた。  ぐったりとした身体を抱きしめ、絡み付くように何度も唇を重ねる。  ああ、足りない。全然足りない。こんな自分じゃ足りない、駄目だ。  もっと、努力しなければ。不安が消えない、安心できない。  この声も、唇も、髪も、肌も、心も、全部。  手に入れたすべて、何があっても離さない。  誰にも、渡さない。  自分の中に芽生えた狂気に似た感情は、自身をゆっくりと飲み込んでいく。  それはやがて甘やかな快感へと変わり、俺の身体に腕を回し息を吐く省吾を、強く抱きしめた。 <終>
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