第1話 首狩り魔神の都市伝説

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第1話 首狩り魔神の都市伝説

 高2年の1学期、終業式後の放課後。  机に突っ伏しながら隣の席で東矢一人(とうやひとり)坂崎安離(さかざきあんり)が都市伝説の噂話をする声を耳から耳へと聞き流していた。  窓からはじりじりと強い日差しが差し込み、海の家の鉄板焼きの気分だ。暑すぎる。流れる汗はシャツを伝わり、ピッチリと背中に張り付く。だから怖い話で涼しくなろうという気持ちはわかる。  ただ今話題にのぼっている都市伝説は涼しさのかけらもない。 『辻切(つじき)センター駅で首狩り魔神が出る』  辻切センター駅で終電が出た後、貨物駅車両基地方面の線路から首狩り魔神が現れる。そして駅構内に残っていた人間の首を無差別に狩ってまわるのだそうだ。すでに何十人という犠牲者が出ている。
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