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私が保育園などにも通っていないくらい、小さかった頃。
私は両親と過ごす時間が楽しくて、無邪気に甘えて母と父の腕の中でいつも笑っていた。
お母さんの笑った顔は子供から見てもとても綺麗で、子供ながらにそんなお母さんの笑顔に見惚れていたっけ。お父さんは普段は冷たい顔なのに、私の前でだけは目尻を下げて、軽々しく抱き上げてギュッと抱きしめてくれた。
大好きなお父さん、お母さん。
冷凍庫にはいつも少し高級そうなアイスクリームが入っていて、よく家で一緒にアイスクリームを食べていたっけ。
小さかった頃は、お母さんは私をあちこちパーティーに連れていってくれた。でもお母さんは忙しそうで、いろんな人に挨拶しなくちゃいけなくて、私が一緒にいたことをすぐに忘れて動き回ってしまう。
お父さんは内向的なタイプだから、パーティーは苦手。たまに休みに引っ張り出されても、うんざりして、見るからにイヤそうな顔をする。
仲良しなのに、そういうところは、合わないみたいだ。
六本木のとある大きな商業施設のビルで、今日も盛大なパーティーが行われている。
お母さんとお父さんが他の人と話しに夢中になっていると、私は喉が渇いてあちこち歩き回り、気がつくとパーティー会場を出てしまってい。もちろん、そんなこと幼い私も両親も知らない。
「つかれたよぉ。のどかわいたよぉ」
私は疲れて、泣きたくなった。
お母さんは前ほど一緒に遊んでくれなくなった。
寂しい…。
そんな気持ちが、芽生え始めていた頃だった。
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