第3章 無邪気な笑顔

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髪を後ろで一つに結って白いリボンを巻いている。そんなに髪は長くなさそうで、私はショートボブだから、私より少し長いくらいかな。 ジッと見つめていると、校門を出たところで、梶原さんは私の腕を離した。 「じゃ、ここでいいわよね?また明日。バイバイ」 「え?」 梶原さんはニッコリと微笑んで、手を振って帰っていった。 初めて会話した。 無邪気な笑顔。汚れのない無垢な微笑み。孤独など、カケラも知らなそうな…。 「いいなぁ。ああいう、自然に笑えるひと」 そう呟いて、私は歩いていった。 「あ、お礼、言うの忘れた」 そんなことを思い出して、顔を上げた。でも、もう梶原さんの背中は見えない。 はやっ。 * 翌日。 教室で梶原さんを見た。クラメイトの女の子と2人で話をしている。昨日はポニーテールだったけど、今日は降ろしている。髪を下ろすと、大人っぽく見える。どっちにしても可愛い女の子だ。 ところで、いつお礼言おう。 急に言うのも、どうかと思うわよね。びっくりさせちゃうよね。 休み時間。 お昼休み。 放課後…。 「じゃあ、また明日ね!」 梶原さんは、放課後はすぐ教室を出ていくと、あっという間に姿が見えなくなった。 今日も帰るの、はやっ!
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