第3章 無邪気な笑顔

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上辺だけ見てても、わからないんだね。 馬鹿だな、私も…。 なのに、困ってた私をサラッと助けてくれて、私ったらお礼も言えてない。 翌日。 私は梶原さんを追って、校門まで走っていくと、 「梶原さん!」 とやっと声をかけた。あまり人前で大声を出したこともないけど、声をかけないと梶原さんはすぐいなくなっちゃうから。 ようやく梶原さんは立ち止まって振り向くと、驚いて私を見つめた。 「あ、渡部さん」 「あの…!こないだ、助けてくれて、ありがとう」 私は勇気を振り絞って言うと、梶原さんは驚いたように目を見開き、 「え?こないだ?」 と言って首を傾げた。 あ、覚えてなかった…? 私は深呼吸をして、カバンを前に持ってきて両手で掴んだ。 「教室でクラスメイトの男の子たちに誘われてた時、助けてくれた、でしょ?」 私が言うと、梶原さんは「えー?」と言いながら、 「あ、思い出した!はいはい!あれね。なんか、断るのも難しいよね。モテるのも、大変。羨ましいなぁ。あはは。渡部さん、同性から見ても綺麗だもんなぁ。でも困ってそうに見えたから迷惑かもしれないけど、勝手に助けちゃってごめんね」 と言って肩をすくめた。私は頭を横に振って、 「そ、そんなことないっ」 と言うと、梶原さんはなんだか嬉しそうに笑った。
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