第3章 無邪気な笑顔

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「良かった。ほんとは、後でちょっと反省してたの。男の子たちと遊びに行きたかったなら、余計なことだったのかなってー」 「ううん。私、そういうの苦手。だから、助かったの。本当、ありがとう」 私がはっきりとお礼を言えると、梶原さんは私に歩み寄ってきて、 「ね、じゃあ、良かったら、仲良くしてくれる?」 と顔を覗き込んで言うと、私はまた驚いて梶原さんを見つめた。 「渡部さん、いつもひとりじゃない?明日、一緒にお昼食べよ。それから…お友達になりたいですっ」 梶原さんはにっこりと笑ってそう言うと、私は驚いたけれど、素直に嬉しかった。友達の作り方なんて、知らなかったから。 こんな風に話してくれる人、いなかったから。 梶原萌梨。 同じ女としても、可愛らしくて、あどけなくて、心が澄んでる女の子。 高校に来て、初めて、友達が出来た。
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