第4章 人気者の恋愛事情?

2/8

304人が本棚に入れています
本棚に追加
/226ページ
時々。帰りの時間。 梶原さんと一緒に帰っていると、視線を感じる時がある。嫌な感じではないけど、なんだろう。その視線は私を見ているのか、隣にいる梶原さんを見ているのか。 黒の少し大きめな車が、路肩に止まっている。運転席と助手席に男の人がいて、時々チラッと見ているような気がした。 変質者? 誰かのストーカー? 黒い車っていうのも、怪しい。 運転席には20代くらいの優しそうな男の人。 助手席に座る男の人は、やる気なさそうな、気怠そうな顔。無精髭?大きなあくびをしたり、窓を全開してタバコを吸っていたり。おじさんっぽいんだけど。タバコを吸う男の人をカッコいいと思ったのは、初めてだった。 「いやいや…。危ない人かもしれないし」 私は我に返ると、梶原さんは振り向いて、 「あ、帰り待ち合わせしてるから、そこまでね」 と言い出すと、私は微笑んで梶原さんを見た。 「お兄さんでしょ。義理の…って言ってた2つ上の」 私がそう言うと、梶原さんは照れたように頬を赤く染めて、 「やだ!あははっ。帰りに買い物しようってだけよ」 と言って私の肩を叩いている。
/226ページ

最初のコメントを投稿しよう!

304人が本棚に入れています
本棚に追加