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それ。好きだよね。その顔分かりやすい。素直か!
そう思って、つられるように私も笑った。
家に帰ると、何故か滋がうちにいてキッチンでアイスティーを出していた。
「おお、おかえり」
「いや、おかえり…じゃなくて。なんでうちにいるのよ。んで、勝手にアイスティー飲むな」
「アイスある?お、あったあった!おばちゃん相変わらずハーゲン好き!抹茶、いただきっ!」
「滋…!」
アイスを二つ出して持ってきて、ダイニングで私に一つ差し出すと、
「最近あんま話してなかったからさ。どう?友達できた?最近同じ女の子と帰ってるだろ?あれ?友達?可愛いよな」
と言って椅子を引いて座ると、私はため息をついて椅子を引いて、まだ制服のままなのにとりあえずアイスを食べた。アイスに罪は、ない。
「梶原さんね。梶原萌梨。明るくて素直な女の子。最近話せるようになったの」
「そうそう。梶原さん。俺も話せるかな」
「それが目的で来たの?じゃ、教室にくれば?」
「え?行ってもいい?」
滋が嬉しそうな笑顔で身を乗り出してきた。
「なんか、無邪気な笑顔だよね。話してみたいと思ってんだ」
「ふぅん。まぁ、止めないわ。お好きにどうぞ」
私はそう言って微笑むと、滋はニコニコして抹茶味のアイスを食べながら、私が食べているバニラアイスを見た。
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