第5章 天使が堕ちた日

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その日は、朝から梶原さんの様子がおかしかった。 ニヤニヤ笑っていたり、頭を抱えて唸っていたり。そうかと思うと、「きゃっ」と嬉しそうな声を上げたり。 挙動不審だ。 一緒にお昼ご飯を食べながら、私の向かいに座っている梶原さんは、ため息をついて、箸でご飯を突っついている。私も自分で作ったお弁当を食べながら、そんな梶原さんを見て、 「なんか、いいことあった?」 と聞いてみた。梶原さんはハッとして私を見つめると、 「な、ないよ!あるわけないじゃん!だって祐がまさか、そんな…」 と言ってニヤけていると、私はおかずを食べて、 「好きって言われた?」 と訊ねてみた。すると、梶原さんは首を傾げて考え込み、今度は、ズンと頭を下げた。 「い、言われてないや…」 「え?じゃ、なに?どうしたの?」 「そ、それはね。あのねっ」 と、梶原さんは次の言葉を言おうと口を開いていたけど、そのまま言葉を飲み込んでしまった。 「や、やっぱ、いい」 「なんなのよぉ」 「えへへ。秘密〜」 そう言う割には、梶原さんは頬を赤く染めて、なんだか嬉しそうだ。私はそんな梶原さんを見て首を傾げていると、残りのおかずとご飯を黙々と食べて、完食した。 なんか、いいことでもあったのかな。
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