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3.木内さん
下校中に友部を見た。彼女と2人で帰っている。羨ましい、こんな感情を持ったのは初めてだった。後ろから誰かが走ってくる。
木内さんだ。木内さんが笑いながら言う「ふでばこ忘れてたよ」忘れ物を届けてくれたらしい。「ありがとう」僕は言う。だがこれ以上の会話が思いつかない。この調子だと、木内さん、いや彼女なんて作れやしない。とりあえずなにか喋らなきゃと口から出た言葉は「好きな食べ物なに?」小学生レベルの質問だ。木内さんは何かを言っている。だが俺は、恥ずかしすぎて、聞こえやしなかった。
僕は木内さんに、急用があると言い残し走って逃げた。でも僕は、そう簡単に諦めはしない。
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