下田

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下田

木内さんと喋った日から、2日が経った。 今日は学校帰りに、同じクラスの下田と遊ぶ予定だ。下田とは小学生の時から仲が良く、親友と言っていいほどだった。下田と喋るととても元気が出る。だから集合場所はカフェにした。俺の家の近所にあるカフェはとても静かで話しやすかったからだ。学校が終わった。カフェに着いた時には、下田はテーブル席に座っていた。下田と俺はいつものように話す。木内さんとの会話とは違い、話も途切れることはない。下田が急に言う「好きな人とかいる?」恋バナか。彼女は欲しいが好きな人がいるわけではない。「いないよ」俺は笑顔で答えた。下田が笑顔で言った「俺、木内さんのこと好きかも!」衝撃だ。 僕は声を震わせつつ言った「そうなんだ」自分は笑っているつもりだが、きっと笑っていないだろう。下田との会話が途切れるのは初めてのことだ。そのあとも話したが、どんな話をしたかなんて覚えてない。家に帰ると、とても安心した。しばらく下田のことを考えていたら、いいことを思いついた。これが本当にいいことなのかなんてこの時の俺は考えていなかった。
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