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彼もそんなに真剣になりながらも自分のほうも高まっているようで、美鈴ばかり見つめていたのに、理性をなくしたようにして美鈴の身体を激しく貪り始める。
もうだめだ――。美鈴の肌にふとそんな息だけの声を感じる。彼の逞しい身体と肩にいる寅に相応しい雄々しさに、美鈴の胸が熱くざわめく。
「ほんとうに遠慮しない」
男の眼がどうしてか戦闘態勢を迎えた目になっている。美鈴もこっくりと頷いて、シーツを握りしめた。きっときっとすごく力強いものが襲ってくると予感したから。
美鈴の身体の中、寅が向かってくる。
遠慮しないと美鈴の目に宣言した男の真剣さ、遠慮のない男の勢いが、美鈴の身体を侵していく。
鍛えている男の力いっぱいの律動が打ちつけられる。
「みすず……、美鈴……。綺麗な、声……、俺の、綺麗な鈴、ぴったりの名だって……」
うわごとのようにそう呟きながら、彼も男の行為に無我夢中になって……。
美鈴も彼の声を聞きながら、荒っぽい律動で下腹の奥が熱くなって、頬も燃えそうで、シーツを噛んであられもない声が響かないよう堪えた。
遠慮しないで。遠慮しない。
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