8.シュガーブルーの夜

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 先のことなんてわからない。でも……。  きっと彼も同じ事感じていると思う。でも……。  恋だけ、愛は……? そこまで思いつかない。  それでも、私とあなたはいま、何にも囚われないで愛しあっている。彼が店に来て美鈴が店にいてお互いに気になっていた、でも、距離を取っていたこと、どことなくわかっていながらも。もうこんなに素肌が触れるまでに近づいてしまった。  欲しくて欲しくて触れた恋は、こんなに熱くて甘くて、そしてどこか切ない。潮の匂いと港の青い色――。  男の最後のひと押しが美鈴の中に注がれる。肩の寅が美鈴を見ている。 「……、寅、寅がわたしを……見て……る」 「美鈴さん、俺、俺のほうを見て」  寅の模様ばかり見ていたからなのか、覆い被さってきた彼が美鈴にそう言って熱くて濃厚なキスをした。  なんの隔てもない交わりの最後……。男の匂いと潮の匂いが混じっていた。  
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