『冷蔵庫に入ってるよ』

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『冷蔵庫に入ってるよ』  丸みを帯びた母の優しい字で書かれたメモに、僕は思わず微笑んだ。それから冷蔵庫に手を掛け、ゆっくりとその戸を開いた。  そこには――ばらばらにしてラップで包んだ、僕の彼女の身体のパーツが押し込められていた。  僕は目を見開き、息を飲んだ。 「……すげぇ、本当に匂いしないや」  やっぱり頼りになるのは、おふくろの経験に限ると思った。
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