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「酔っている方が機敏に動けるとはどう言うことだ…」
一番近くにいた纏まりに入り込むと、酒を飲んでは飲ませていた。
「…ルシーダの友人とは、気が合いそうだ」
酔っ払いの相手は想像より遥かに疲れる。
ルシーダが満足するまで待つことに決め、後を付いていく。
やがてルシーダの通った道には、泥酔した男達の山が出来ていた。
「…そろそろ止めておけ。酒も無くなっただろ」
「むぅ…」
自身も限界が来たのか、今にも目が閉じそうだ。
「明日に差し支えるぞ…」
「解りました…ん」
ルシーダは両腕を広げた。
「何だ?」
「抱っこ…」
「……」
要望を汲んで抱き上げると、腕のなかで眠ってしまった。
「…次からは絶対に酒は飲ませない」
深い溜め息をつくと、借りた部屋のベッドに連れていった。
ルシーダが目を覚ましたのは翌日の昼過ぎだった。
「ん…あれ?此処は…」
身体を起こして状況を確認する。
いつの間にか部屋に戻っていたらしい。
「…起きたか。ちょうど良かった」
キョロキョロと部屋の中を見ていると、レグエンシスが食べ物を運んできた。
「レグ、おはようございます」
「もう昼だぞ」
「えっ!?」
ベッドから下りるとカーテンを開ける。
強い日差しに咄嗟に目を腕でかばった。
「…昨日の事、覚えていないようだな」
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