第四章、慈愛の魔女とヒト

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「酔っている方が機敏に動けるとはどう言うことだ…」 一番近くにいた纏まりに入り込むと、酒を飲んでは飲ませていた。 「…ルシーダの友人とは、気が合いそうだ」 酔っ払いの相手は想像より遥かに疲れる。 ルシーダが満足するまで待つことに決め、後を付いていく。 やがてルシーダの通った道には、泥酔した男達の山が出来ていた。 「…そろそろ止めておけ。酒も無くなっただろ」 「むぅ…」 自身も限界が来たのか、今にも目が閉じそうだ。 「明日に差し支えるぞ…」 「解りました…ん」 ルシーダは両腕を広げた。 「何だ?」 「抱っこ…」 「……」 要望を汲んで抱き上げると、腕のなかで眠ってしまった。 「…次からは絶対に酒は飲ませない」 深い溜め息をつくと、借りた部屋のベッドに連れていった。 ルシーダが目を覚ましたのは翌日の昼過ぎだった。 「ん…あれ?此処は…」 身体を起こして状況を確認する。 いつの間にか部屋に戻っていたらしい。 「…起きたか。ちょうど良かった」 キョロキョロと部屋の中を見ていると、レグエンシスが食べ物を運んできた。 「レグ、おはようございます」 「もう昼だぞ」 「えっ!?」 ベッドから下りるとカーテンを開ける。 強い日差しに咄嗟に目を腕でかばった。 「…昨日の事、覚えていないようだな」
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