第四章、慈愛の魔女とヒト

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「お酒を飲んだところまでは…記憶があるのですが…」 それ以降の事は一切覚えていないらしい。 「そうか…。頭痛は?具合が悪かったりするのか?」 「いえ、特には」 具合は至って快調だ。 「問題ないなら飯を食え。早くしないと冷める」 「そうですね…では」 頂きますと両手を合わせたところで、外が騒がしくなった。 「何だ…?」 レグエンシスは窓から外へ出ていく。 「あっ、待ってください」 ルシーダもその後を必死に追った。 村の入り口まで行くと、騒ぎの原因が直ぐに解った。 「うわぁ!」 「上からなんてセコいじゃねぇか!」 「魔物!」 鳥型の魔物が数体、上空を旋回していた。 男たちを捕まえようとしてか、急降下をしては爪で攻撃をしてくる。 「レグエンシス!ルシーダを連れて下がってろ!」 「アバド…!」 「これでも俺達は魔物討伐の経験だってあるんだぜ?」 自慢気に語るも、笑みはひきつっていた。 「二日酔いの奴が見栄を張るな。先程から誰の攻撃も魔物に当たっていないぞ」 魔装具をカタナに変える。 「仕方がないだろー!飛んでる奴なんて相手にしたことねぇんだからよ!」 「飛んでいるから何だ?…手本を見せてやる」 「レグ!?」 レグエンシスはごみ箱等を踏み台にし、近くの家の屋根に飛び乗った。
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