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「……」
レグエンシスはカタナを鞘に納めたまま構える。
魔物が急降下してきたところを狙って、カタナを抜き放った。
「あっ…!」
「魔物の羽が…」
レグエンシスの生み出した刃が魔物の羽を切断した。
飛べなくなった魔物はそのまま地面に激突する。
「い、今だ!」
「うおおぉっ!」
好機とばかりに男達がとどめを指す。
「すげぇけど…レグエンシス!それが出来るのはどう考えてもお前だけだろ!」
「なら、これは?」
屋根から降りずに魔物の注意を引く。
レグエンシスに気づいた魔物は真っ直ぐに降りてくる。
「レグ!」
「…見てろ」
ギリギリまで引き付けてからその場を離れる。
勢いよく降下しているため、途中で止まることの出来ない魔物は、屋根に爪を起てた。
「…あの魔物…」
「屋根に爪が刺さって動けないようですね」
「そうか…そう言うことか…!」
倒し方に気づいたアバドは、手下たちに呼び掛ける。
「今、見ていただろ!彼奴らの武器を逆手に取ってやれ!…レグエンシス、悪いが手伝ってくれ!ルシーダは安全な所にいろ!」
「…仕方がないな。ルシーダ、お前は下がっていろ」
「でも…」
「此処は俺達に任せていればいい」
ルシーダは頷いたがなかなか動こうとはしなかった。
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