第四章、慈愛の魔女とヒト

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「……」 レグエンシスはカタナを鞘に納めたまま構える。 魔物が急降下してきたところを狙って、カタナを抜き放った。 「あっ…!」 「魔物の羽が…」 レグエンシスの生み出した刃が魔物の羽を切断した。 飛べなくなった魔物はそのまま地面に激突する。 「い、今だ!」 「うおおぉっ!」 好機とばかりに男達がとどめを指す。 「すげぇけど…レグエンシス!それが出来るのはどう考えてもお前だけだろ!」 「なら、これは?」 屋根から降りずに魔物の注意を引く。 レグエンシスに気づいた魔物は真っ直ぐに降りてくる。 「レグ!」 「…見てろ」 ギリギリまで引き付けてからその場を離れる。 勢いよく降下しているため、途中で止まることの出来ない魔物は、屋根に爪を起てた。 「…あの魔物…」 「屋根に爪が刺さって動けないようですね」 「そうか…そう言うことか…!」 倒し方に気づいたアバドは、手下たちに呼び掛ける。 「今、見ていただろ!彼奴らの武器を逆手に取ってやれ!…レグエンシス、悪いが手伝ってくれ!ルシーダは安全な所にいろ!」 「…仕方がないな。ルシーダ、お前は下がっていろ」 「でも…」 「此処は俺達に任せていればいい」 ルシーダは頷いたがなかなか動こうとはしなかった。
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