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第一章、奇跡の魔女と傭兵
荒れ地を歩く、独りの女。
彼女は辺りを見渡しながら進む。
此処では戦いがあったらしく、地面の至るところに傷が残っていた。
尚も歩いて進んでいくと、血の跡が目についた。
「…新しい」
血を辿っていく。
その先に男が倒れていた。
「うっ…ぅ…」
「…ヒト…まだ息がある」
女は男を見下ろす。
首から肩に掛けて深手を負っている。
息があるのが不思議な位だ。
「ま、だ…しね、ねぇよ…」
「……」
「俺、は…」
「……」
男は手を伸ばす。
空に向かってか、それとも女に向かってか。
女は躊躇ったが、男の手が地面に触れる前に掴んだ。
「…生きたいのなら、私と契約しなさい」
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