訃報

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「徹君、ずいぶん立派になったねぇ」  僕を見るなり、数年ぶりに会う親戚は皆口を揃えてそう言った。 「恵ちゃんにはちょくちょく会っていたけど。向こうで大きな会社に勤めてるんだってね。今忙しい時期じゃない? 仕事休んで大丈夫だったの?」 「いえ、まぁ忙しいですけど、慶弔休暇は社内規定でちゃんと設けられてますんで。一応いつ抜けても大丈夫なように仕事も割り振ってますし」 「じゃあ、いつ帰るの?」 「明日の告別式までいて、次の日の朝には帰ろうかと」 「大変ね。次に帰った時にはたまにはおばちゃんちにも顔出して。こんな時しか会えないんじゃなんだし」  涙ぐむ叔母の後ろには、その昔一緒に遊んだ覚えのある従姉妹の顔もあった。久しぶりに見る顔ばかりで、さながら親族の同窓会のような趣ですらあった。 「ばあちゃんの顔、見てやって」  促されて、奥の部屋へと進む。以前は祖母のベッドと大量のタンスがあった続きの二間がすっきり綺麗に片付けられて、祭壇が据えられていた。その前の布団に祖母が寝かされ、隣には姉の恵の姿があった。
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