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【 第四話: 若菜は18歳? 】
「ねぇ、龍之介くん。あの子、本当に18歳なの?」
「そ、そうだよ……」
「どう見ても、中学生くらいに見えるけど」
「いや~、若菜は童顔だからね……」
「龍之介くんは、本当にあの子と付き合ってるの?」
「ああ、付き合ってるよ……」
「この前のことだけど、私では龍之介くんの彼女にはなれないのかな……?」
「ご、ごめん……。俺には、若菜がいるから……。それより、先輩が君のこと好みって言ってたよ……」
「う~ん、そう」
「ごめんよ……」
私がトイレから出てくると、お兄ちゃんと女の人が何故か仲良く隣同士でおしゃべりしていた。
ちょっと、ショックだった……。
だって、背の高いお兄ちゃんとその女性は、とても釣り合って見えたから。
私は、その後も、大学生の会話について行けなかった……。
何を話しているのか、全然理解が出来なかった。
大学っていうところが、すごく遠く、大人の世界っていうことを思い知らされた。
「じゃあ、そろそろ1次会はこれでシメて、2次会にでも行きますか~!」
「(おおー、いいねぇ!)」
「あっ、先輩……。俺、彼女と1次会で帰ります……」
「そうか、残念だけど……。じゃあ、俺たちだけで2次会行きますか~!」
「すみません……」
私は、少しホッとしていた。
だって、2次会へ行っても会話についていけそうになかったから。
それにいつ妹だってバレちゃうか、とっても心配だった……。
「じゃあな、龍之介、若菜ちゃん」
「はい、先輩。また学校で……」
「(おやすみ~)」
私は、お兄ちゃんの腕にしがみ付くようにくっついた。
せめて、最後くらい彼女みたいにしておきたかったから。
みんなに小さく手を振って、お別れした。
そして、お兄ちゃんにピッタリくっついて、甘えるように頭をお兄ちゃんの腕に持たれかけた。
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