そりゃないよマイダーリン!

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そりゃないよマイダーリン!

 コロナのせいで、土日だというのに不要不急の外出は自粛モード。  いや、政府からもう要請は出ていなかった気がするけれど、なんとなく県外に出かけるのが憚られる空気になってしまっているのは事実である。  おかげで僕は、遠距離恋愛中(といっても、僕は東京で向こうは神奈川、遠いというほどの距離ではないのかもしれないが)の彼女とここ最近会うことができていない。一月に彼女と一緒に、横浜中華街にご飯を食べに行ったのが最後である。 ――ああ、淋しい。淋しいよマキちゃーん!  年末から付き合い始め、やっと手を繋げたばかりだったというのにこの仕打ち。デートどころか、ろくに顔を見ることもできないなんてあんまりである。ただでさえ神奈川から東京に出てきて一人暮らしをしている淋しい大学生の僕は、こっちに友達そのものが少ないのだ。これで彼女にも会えない、外にもろくに出かけられないなんてどんな拷問だろうかと思う。  その結果、とにかく毎日のように彼女にLANEでメッセージを送る日々が続いている。 『マキちゃーんおはよー』 『マキちゃーん、今日何食べた?』 『淋しい!マキちゃん写真送ってー!』 『うえーん返信ないの淋しいよう!既読スルーとかやめてー!!』 『ちょ、既読スルーやめてとは言ったけど未読スルーはもっとやめて!?』 『マキちゃん返事してー』 『(´;ω;`)(´;ω;`)(´;ω;`)(´;ω;`)(´;ω;`)(´;ω;`)(´;ω;`)(´;ω;`)(´;ω;`)』  まあこんな具合だ。  大学の先輩だったマキちゃんは(フレンドリーなのがいいと言われて、先輩だけどちゃん付け&敬語なしにさせてもらっているのだ)現在立派な社会人。忙しいのは重々承知している。ましてやこのコロナ渦、普段と違う業務も増えたり減ったりでバタバタしているのはわかっているのだ。  それでも、一週間に一回返信があるかないか、っていうのは流石にあんまりではないだろうかと思う。こっちは毎日十通以上愛のメッセージを送り続けているというのに!  僕がしょんぼりし始めた、その時だった。
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